宇都宮 基師(うつのみや もとし)
昭和14年9月27日、愛媛県八幡浜市生まれ。八幡浜高校から立教大学へ進学。卒業後、南海放送へアナウンサーとして入社。退職後、フリーアナウンサーとしてラジオ生番組や競輪実況中継等を経て、現在『瀬戸風バンク応援隊長』としてCS番組に出演するほか、初心者の女性を対象に分かりやすく競輪を教える『競輪コンシェルジュ』として活躍中。競輪歴○十年!! 
血液型:A型、モットー『楽しく生きる』、趣味『ケイリンの他にゴルフと公園の清掃』

第25回 『新年度を迎えて編』

 寒さが厳しかった冬も桜の開花とともに緩み、気が付けば新緑眩しい季節になりました。新年度を迎え新1年生の姿をあちこちで見かけ、若さを改めて羨ましく思う今日この頃です(笑)。今回は「新年度を迎えて編」というタイトルですが、新年度なのに新しいことをするでもなく、いつものようにもっくんのペースで、よもよもお話ししたいと思います(笑)。

松山記念競輪を振り返って

 まずは先月に行われた松山記念競輪を振り返ってみたいと思います。昨年は「第28回読売新聞社杯全日本選抜競輪」の開催のため、記念競輪がなかったので、2年ぶりの開催になりましたね。輪界トップクラスのS級S班では深谷知広(愛知・96期)、新田祐大(福島・90期)、成田和也(福島・88期)、後閑信一(東京・65期)が参戦。S級1班からもそうそうたるメンバーの参加となりました。少し残念だったのが神山雄一郎(栃木・61期)のケガによる欠場でした。多くのファンが残念がっていましたね(悲)。また、今回の記念競輪では地元の選手が例年になく多く参加しました。濱田浩司(愛媛・81期)、渡部哲男(愛媛・84期)、橋本強(愛媛・89期)のS級1班を筆頭に、2班では大崎飛雄馬(愛媛・88期)、越智展孝(愛媛・88期)、小川祐司(愛媛・96期)と計6名が上位を目指し熱戦を繰り広げました。渡部選手は過去に優勝経験もありますし、濱田選手も他県の記念を制していますから、ファンの皆さんは活躍を期待していたと思います。残念ながら6名とも準決勝戦に進めず寂しかったのですが、スタンドから温かい声援を受けていたので、僕も彼らのこれからの奮起、活躍に期待したいですね。

 開催3日目の第12レースでは103回生のベストナインによる「ルーキーチャンピオンレース」が行われ、地元愛媛から日野博幸選手(愛媛・103期)が出場。大いに期待されていたのですが、展開に恵まれず内に包まれてしまい8着に終わってしまいました。しかし、その後も成績は好調で、常時決勝進出を果たし優勝するなど、ファンの期待に応える安定した走りを見せてくれています。

 やはり、連日目を引いたのは圧倒的な強さを見せた深谷選手と、爆発的なダッシュ力をいかんなく発揮した新田選手の2人でした。2人とも決勝戦に駒を進め、我々に手に汗握るレースを見せてくれました。結果は新田選手の優勝、そして深谷選手が2着、3着に伊藤保文選手(京都・71期)が入りました。優勝した新田選手は勝ちに対する気迫がみなぎっていたように感じます。新田選手はその後も好調を維持し、「第30回共同通信社杯」(伊東温泉競輪場)でバンクレコードを更新するなど、ファンを魅了する“世界の走り”で、見事特別競輪で初めての優勝を果たしました!

 また松山記念の直後には、競輪で最も格式の高い大会でもある「第67回日本選手権競輪」(名古屋競輪場)が行われました。6日間にわたって最高峰の選手たちが熱戦を繰り広げましたが、中でも決勝戦は競輪史に残る名勝負となり、稲垣裕之選手(京都・88期)の逃げに乗り、直線で抜け出した村上義弘選手(京都・73期)の2連覇、2着には中団から捲った武田豊樹選手(茨城・88期)、3着には後方8番手から捲った深谷知広選手が入りました。本当に凄いレースでもっくんも大興奮でした(笑)。

地元 愛媛支部選手の近況

 地元選手でもっくんが注目している一人に松尾智佳選手(愛媛・102期)がいます。松山でも何度も走り、地元ファンの大声援を受けほとんど決勝戦へ進出しているのですが、決勝戦では最高2着と優勝まであと一歩の成績でした。瀬戸風バンク応援隊長でもある僕は決勝戦のゴール前では自然と声が出て体をくねらせ(笑)、応援していました。そして!ついに3月16日の取手競輪場で念願の初優勝を果たしました(拍手)。僕の初詣の多めのお賽銭が効いたようです(笑)彼女らしい粘りある走りで、ゴール直前に荒牧聖未選手(栃木・102期)を差しての優勝でしたが、その日は僕にとって清々しい1日になりました。ぜひとも次はここ瀬戸風バンクの地元ファンの前で優勝してほしいと思います。地元ファンの声援は力を3割増に引き上げるパワーがあると言われていますし、次回の地元でのレースに期待したいです。

 もう一人の地元注目選手は、日野博幸選手(愛媛・103期)です。6月24日に開催されるレインボーカップA級ファイナル(久留米競輪場)にも出場予定です。「上位3着がS級へ昇進」できる一発勝負となっており、こちらも注目していただきたいと思います。四国地区ではレースをグイグイと動かす自力型の若手選手が、他の地区に比べ少ないように感じます。日野選手にはこれから四国をどんどん引っ張っていくような選手に成長してもらいたいです。

愛媛支部 ニューフェイスデビュー

 新年度を迎え新社会人がデビューしていますが、競輪でも地元新人選手がデビューします。吉岡伸太郎選手(愛媛・105期)と宮安利紗選手(愛媛・106期)です。吉岡選手は愛媛出身の20歳。中学校は野球部で、高校では特に部活動はせず自身で自転車トレーニングを積み重ねた結果、見事競輪学校に合格!競輪学校では「皆勤賞」と「学業優秀賞」を授与されるなど真面目な人柄が感じられます。そのひたむきさを練習でも発揮し、力強い走りを見せてほしいです。

 宮安選手は岡山県出身の22歳。学生時代は陸上競技に打ち込み、就職しアパレルショップの店員を務めた後、一念発起し競輪の世界へ。168cmと体格にも恵まれていることもあり、これからの成長に期待が持てます。先輩の松尾選手とともに四国のガールズケイリンを盛り上げてほしいですね。

これからの輪界

 この5月から皆さんもご存知のSS11の移籍問題で、出場自粛処分を受ける選手がいます。その中には輪界のトップであるS級S班の選手も含まれており、競輪ファンの一人としては、競輪を盛り上げている中心選手の走りがしばらく見られないのは、残念で仕方がありません。処分の内容についてはここでは触れませんが、村上選手、武田選手、新田選手をはじめ、一日でも早く第一線に復帰してもらいたいと願うばかりです。

 処分が避けられない以上、僕はトップ選手不在期間中に現れる新たなスター選手に期待したいと思います。5月から輪界を第一線で引っ張ってきた選手の一部が不在となるこの期間、“代わりに俺がそのポジションを狙う!”と若い世代の台頭にぜひとも期待したいです。小川祐司選手(愛媛・96期)・日野博幸選手、そして原田研太朗選手(徳島・98期)といった四国の若手選手にも大いに頑張ってほしいものです。

 全国の競輪選手を見ても新しい世代がどんどん活躍しています。彼らには輪界の未来を背負っていく覚悟で素晴らしいレースを見せていただきたいものです。ファンの皆様もそれを願っています。そして処分が明け、戻ってきたトップ選手とのレースを誰もが見たいと思っていることでしょう。