宇都宮 基師(うつのみや もとし)
昭和14年9月27日、愛媛県八幡浜市生まれ。八幡浜高校から立教大学へ進学。卒業後、南海放送へアナウンサーとして入社。退職後、フリーアナウンサーとしてラジオ生番組や競輪実況中継等を経て、現在『瀬戸風バンク応援隊長』としてCS番組に出演するほか、初心者の女性を対象に分かりやすく競輪を教える『競輪コンシェルジュ』として活躍中。競輪歴○十年!! 
血液型:A型、モットー『楽しく生きる』、趣味『ケイリンの他にゴルフと公園の清掃』

第18回 『行く年来る年編』

 皆さん、こんにちは。月日の経つのは早いもので、今年も残すところあとわずかになりました。年の瀬が押し迫ってまさに“師走”の言葉どおり、大掃除や身の回りの整理にバタバタ奔走している“よもだ”のもっくんです(笑)。さて、今回は今年1年を振り返り、もっくんが選ぶMVPをはじめ、競輪界で印象に残っている出来事を中心に、よもよもお話したいと思います。

注目を集めたガールズケイリンの復活

 今年を振り返ってみますと、まず「ヒゲの殿下」の愛称で国民に慕われた諮m親王が、6月6日に薨去されるという悲報にショックを受けました。スポーツ界、福祉活動、国際交流など様々な分野の発展に貢献された方で、「諮m親王牌」のタイトルでも分かるように、競輪についても大変造詣が深く、競輪界の発展にも大きく寄与されました。もっと輪界のためにお力をお借りしたいと思っていたので、大変残念でした。

 競輪界で大きな動きとしては、やはり7月1日のガールズケイリンの復活でしょうか。48年ぶりに開催されるとあって大きな注目を集めましたよね。33人がデビューしたんですが、僕も地元の松尾智佳選手のデビュー戦を京王閣競輪場に取材に行きました。デビュー戦の成績は3着・5着・1着で、良いスタートを切ったと思いますね。

 先日、四国で初めて松山で行われたガールズケイリンに松尾選手も出場しました。加瀬加奈子選手をはじめ、中川諒子選手や増茂るるこ選手等強豪がひしめく中、見事決勝に進出し、2着という立派な成績を収めました。この大健闘に地元のファンも大いに盛り上がっていましたよね。僕が学生時代に東京で見た女子競輪に比べユニホームや自転車のカラフルさも手伝って雰囲気が随分明るくなり、その点でもファンは十分楽しんでくれたんではないでしょうか。松尾選手も、来年こそはガールズグランプリに出場したいと話していたので、この地元戦をきっかけに更なるステップアップを期待したいと思います。

 また、今夏はロンドンオリンピックも開催されました。僕は正式種目に採用された“ケイリン”競技に特に注目して見ていたのですが、出場した3選手、中川誠一郎・渡邊一成・新田祐大選手ともメダルには手が届きませんでしたが、オリンピックのような大舞台で活躍することは新たなスターが誕生する大きなきっかけになると思うんです。だから次回のリオではケイリン種目でぜひメダルを獲得してほしいですね。一方、パラリンピックでは自転車男子ロードタイムトライアル(運動機能障害C3)で藤田征樹選手が見事に銅メダルを獲得しました。これはうれしいニュースでしたよね。

 11月に行われたFTでは、短期登録選手として外国人選手が瀬戸風バンクに登場しました。フランソワ・ペルビス選手(フランス)とスコット・サンダーランド選手(オーストラリア)の2人です。2人ともオリンピックや世界選手権で実績を残しているワールドクラスの選手で、僕も初めて生で外国人選手の走りを観戦したのですが、迫力もありましたし、とにかくその強さに驚かされました。

 一方、残念だったのが観音寺競輪の3月末での廃止と、“史上最強の支部長”山口幸二選手の突然の引退です。山口選手は昨年のGPレーサーでもあり、またファンに親しまれた個性的で楽しい選手だったので、引退には本当にびっくりしました。

愛媛では松尾智佳、全国では武田豊樹にMVP

 今年の特別競輪の決勝はどれも激しく面白い戦いでした。優勝したのはいずれも88期の武田豊樹・成田和也・山崎芳仁・佐藤友和選手と、東日本勢が強かったですね。中でも特に印象に残っているレースは、2月に高知で行われた第11回東西王座戦の各決勝戦です。東の王者は武田選手、西は深谷知広選手と、東西王座戦の最後を締めくくるにふさわしいレースだったと思います。

 そして、3年ぶりに行われた松山記念の決勝戦も印象に残っています。小嶋敬二・浅井康太選手が残り1周でまさかの落車、飯嶋則之選手が武田選手をゴール前で捉えて優勝というレースでした。また伊藤豊明杯では、人柄も素晴らしい宮倉勇選手が優勝。「尊敬する伊藤さんの名前が付いた大会で勝ててうれしい」というコメントは印象に残っています。

 お待たせしました(笑)。今年のMVPですが、やはり活躍が目立った東日本の選手から選ぶべきかと思います。何といっても東王座に加えて高松宮記念杯、競輪祭と2つのGTタイトルを手にし、MVPにふさわしい活躍を見せた武田豊樹選手に差し上げたいと思います。1年間を通じて強かったなあと思いました。

 最後に地元愛媛のMVPですが、S級で初優勝した小川祐司選手や、渡部哲男選手、11月に優勝し存在感を示した梶應弘樹選手もノミネートしてはいたんですが、やはり僕は松山で行われたガールズケイリンで大活躍をした松尾智佳選手に差し上げたいと思います。地元のレースで2度目の決勝戦進出を果たし、あの加瀬選手に続く堂々の2着。地元メディアからの数多くの取材への対応や地元開催で大きくのしかかるプレッシャーの中、見事に結果を残しましたよね。本当に素晴らしいです。スタンドはぎっしり埋め尽くされ、新規ファンの開拓にも大いに貢献したと思います。併せて開催されたイベントも大変盛り上がりましたし。松尾選手は体が小さく、まだレースでの課題も残っているんですが、もっともっとトレーニングに励めばもっともっと強くなると思うので、今回のレースをきっかけに大いにブレイクしてもらい、次回は瀬戸風バンクで優勝する姿を見せてほしいですね。